百山頭歌




水の音がおいしそうだから酒を飲む

赤提灯には磁石が潜んでいる

塩辛にはじんわりくる日本酒

ほうろり飲んだ日のこほろぎ

雨にぬれてこころもぬれた

昔の耳に台風の風がささやく

風に吹かれて一皮むけた

なにもかけない豆腐の白い味

あの男のコップ持つ手が網膜

あの山までの一歩

はげ山のはげた上のほうまで雪が降っている

行き倒れても人生と書いた紙を売る

今夜雪になったそんな夜の鍋がいい

枯れ枝白く一筋の雪峠

送電線路の孤独に雷

枯れた枝に味を見るたきぎひろい

うっすらと街の灯お山からながめる

手のひらに盛って七味なめてみる

味噌ばかりのおかずでごはんのにおい

立ち枯れのすすき三本おいでおいでと枯れている

みずのおとがおいしそうだから酒を飲む

赤ちょうちんには磁石が潜んでいる

塩辛にじんわりくる日本酒

ほうろり飲んだ日のこほろぎ

雨にぬれてこころもぬれた

むかしの耳に台風の風がささやく

風にふかれて一皮むけた

なにもかけない豆腐の白い味

あの男のコップ持つ手が網膜

あの山までの一歩

はげ山のはげた上のほうまで雪が降っている

行き倒れても人生と書いた紙を売る

今夜雪になったそんな夜の鍋がいい

枯れ枝白く一筋の雪とうげ

送電線路の孤独に舞う雪

枯れた枝に味をみるたきぎひろい

うっすらと街の灯おやまからおがむ

手のひらにこんもり七味なめてみる

味噌だけのおかずごはんのにおい

立ち枯れのすすき三本おいでおいでと枯れている




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